お茶と肥料の関係について

肥料と茶業

 茶業は昔から、非常に多くの肥料を使う農業で、多施肥(「たせひ」肥料をたくさん使用する事を言います。)については江戸時代の文献にも記されています。
 そして茶業に限ったことではありませんが、近年の化学肥料の大量使用の農業は、河川汚染、海洋汚染(赤潮の発生など)の一因ともなり、病虫害の起きやすい環境をつくってきました。静岡では平成10年(1998年)より「化学肥料」を減らし「有機肥料」を増やし、なおかつ、その肥料の総使用量を2割減少させる。「環境保全型茶業」の取り組みが実施されています。
 

本山茶と農薬、肥料の関係

 本山茶の生産が行われる山間地の茶園はその冷涼な気候のためか、比較的、虫害が少ない環境にあり、農薬の散布も少ない傾向にあります。また、「減肥料」「有機施肥」への移行は、お茶の品質評価において「滋味、うま味」から「香気、かおり」へと推移して行くものと思われます。ミネラルを多く含んだ山間部のお茶は、もともとが香りの良さをその特長としているので、今後その特色がよりあらわれる事となるでしょう。

豊かな土作りの為に

 近代の農法は土地から生産物をいかにして効率よく搾取するのかを研究し続けていたともいえるでしょう。昔は、畑よりとれた作物を人や動物が食べ、その糞尿を堆肥にかえて畑に戻していました。畑においての炭素は形を変えながら循環し、その総量はその地域内において一定に保たれていたのです。畑から作物の形で奪い取った炭素を畑に返し、炭素を循環させる事の重要性が今、問い直されています。

 本山茶産地においても一部でですが、製茶やほうじ茶を作る時に出る製品にならない部分のお茶を、堆肥化し茶畑に返す試みが始まっています。


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