日本茶専門店 錦園石部商店 
titel 茶樹の更新〜切り生えのお茶
 中切り更新の茶園
静岡市足久保にて
 台切り更新の茶園
静岡市丸子にて
切り生えの新芽
静岡市俵峰
「さくらかおり」

更新とは?

 茶樹は毎年摘採を行うと次第に枝が細く密生し、葉は小型となり開葉数が少なくなる※1。また年々樹高が高くなり過ぎ摘採が困難になってきます※2。品質向上と収量の維持、作業条件から見た適正な樹高を保つために更新する※3。更新は剪枝強度※4によって4つに分けられる。

  1. 浅刈り:摘採面から3〜5cm程度で刈り落とす。

  2. 深刈り:浅刈りでは細い枝が十分に刈り落とせないとき、摘採面から10〜20cmの深さで刈り落とす。

  3. 中切り:深刈りを同じ位置で回数を重ねると、その後の芽の生育が不良となるので、さらに下部から切り落とす。地上30〜50cmで切る。<※ここから摘採面から刈るのではなく、地上からの高さで「切る」と表現されます。>

  4. 台切り:古くはよく行われたが、最近はほとんど行われない。地表面から15cm以内で切る。<杉山八重穂、築地東頭などの自然仕立ての手摘み専用茶園は毎年台切りをします。>

 更新の時期は、茶樹の回復を考えると一番茶摘採後がよい。しかし、寒冷地でなければ、二番茶後でも深刈り程度までなら可能である。

※1新芽の部分は成長点であり、この部分が摘採されると、(病気や虫によって障害を受けても)それより下の部分に新しい芽が作られます。

※2摘採面(お茶を摘み採る位置)は樹の成長とともに高くなる。

※3更新とはつまり、茶樹の枝を目的にあわせて刈り落とす事(剪枝)をいいます。

※4枝を刈り込む深さ

以上インストラクタ−講座テキストより抜粋。は石部の補足。


 さて、3の中切り更新をした翌年の一番茶が「切り生え」と呼ばれます。単位面積内の芽の数が少なく、太く力強い茎となり大きな葉をつけるの特長です。収量は少なく、お茶つくりが難しいのですが上手く出来るととても美味しいお茶になります。
切り生えの荒茶
静岡市俵峰
「さくらかおり」
 切り生えの荒茶はぺたりとつぶれた白い茎が目立ちます。これは茶園でやわらかく太い茎が育った証拠。見た目が悪いと嫌う(安く買う)業者がありますが間違いですね。お茶は見るものではなく、飲むものです。茶園での様子がわかり、内質に問題がなければとっても美味しいお茶なのです。
切り生えのぺたりとつぶれた茎
静岡市俵峰
「さくらかおり」
 4〜5年に一度、中切りの更新は行われます。来年2007年は生産家限定の切り生えで商品ラインナップを作ってみようと思案中です。お楽しみに。
 2006年05月22日 石部健太朗



良い道具による充実のティータイム


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