Nishikien.com 茶専門店 錦園石部商店  店主 石部健太朗(日本茶インストラクター#02-0362) お茶にまつわる様々な事柄。〜owner's talk〜 
titel 個性豊かな在来種
 owner's talkでは在来の茶園を時折紹介しています。ポスターなどで見かけるお茶の新芽はきれいな黄緑色がほとんどですが、実はお茶の芽の色は様々。赤と言うよりワインのような色の芽があったり、ちょっと驚くこともあります。

 1975〜1980年に静岡では在来実生茶園から「やぶきた」への大規模な転換が行われました。全国に目を向けてみると全茶園面積に対しての在来の割合は1954年が96.6%であったのに対して1998年には9.9%。(時折、「お茶の味が昔と変わった。」などといった声を耳にしますがそれは錯覚ではないと考えられる数字です。)

※在来種:品種化された「茶樹以外」をさす呼び名です。

 お馴染みの一面に揃った茶園の姿は品種導入によるもので、在来の園では芽の伸び方も色も、大きさもまちまちです。

静岡市山間地の某所にて
2005/05/05撮影
 静岡市の本山茶産地にはまだまだそこかしこに「在来種」の茶園が見られます。(整然としたかまぼこのような畝では無く、ラクダのコブや亀の甲羅を連想させるような茶園がそれである事が多い。)

 そんなちょっと見慣れない茶の芽を食べてみるとそれぞれに味が違うのがわかります。齧ってみて甘いものや苦いもの等があり、香気もかなり違って興味深い。「仮にこのお茶だけで製茶したらどうなるのだろう」?なんて気になるのもしばしばです。

 植えられている土地にしかないそれぞれが「ONLY ONE」のお茶。楽しむ価値は十分にありますね。

2005年5月6日 石部健太朗



良い道具による充実のティータイム


(c)2000-2005 Nishikien. ALL RIGHTS RESERVED.